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【お客様訪問】株式会社AHC様

PJLAは新たにISO/IEC17025認定を取得したお客様を訪問し、認定証授与式を行うとともに
認定に関わるこれまでの準備や今後の活動について取材を行い、これから本規格の認定を
検討されている試験所・校正機関の皆様に参考となる生の情報提供を行っております。

 今回は株式会社AHC様(群馬県前橋市、対象業務:焼き菓子の食品衛生検査指針2018に基づく一般生菌数試験、大腸菌群(定量)試験、黄色ブドウ球菌(定量)試験)を訪問し、認定取得にあたってのきっかけ、工夫した点、今後の取り組みについて、現地に訪問し、代表の飯塚様、今回の認定の責任者の岡田様にお話を伺いました。

 

飯塚代表への認定証授与


Q1:AHC様の業務、お客様について。


株式会社AHC(前身:アニマルヘルスセンター)は1977年の創業以来、農場から食卓にわたるフードチェーンにおいて、食品の安全性向上のための取組みに携わってきました。

食材や環境に関する試験としては、細菌検査、賞味期限設定試験、栄養表示分析、落下菌、浮遊菌試験、遺伝子検査、異物検査等を行っています。店舗・工場衛生パトロールやHACCPに基づく食品安全マネジメントシステムの構築もお手伝いしています。

 

Q2:認定取得のきっかけやお客様からの問い合わせ、要望。

食品安全マネジメントシステムの構築に取り組まれているお客様からのご要望をきっかけとして、組織内で合理的なマネジメントシステムを構築し、試験業務管理レベルや社会的な評価・信用の向上につなげたいと考えました。

 

AHC様

認定業務の試験の様子

 

Q3:認定準備で苦労したこと、認定を取得して良かったこと。

苦労したことは?

日常業務を行いながら、組織内で規格要求事項の理解や浸透度を確認し、一定レベルにする仕組みづくりや試験結果の品質を保証するために、要求事項やポリシー、方針、マネジメントシステム、手順・指示を体系的に文書化するプロセスに時間を要しました。

技術的要求事項の中では、不確かさの推定は、はじめての取り組みとなり、国際的指針である「計測の不確かさ表現に関するガイド」の理解を始めとする諸文献の理解や有識者との意見交換や指摘を踏まえながら「不確かさ」の推定を行いました。

 

良かったことは?

特定の試験について妥当な結果が出せる能力を、国際的な基準で第三者機関から認定頂きました。㈱AHC 微生物試験室の試験組織体制と品質保証体制に一定の能力があることの証明ができたのではないかと思います。「不確かさ」の推定をするため、微生物試験の特徴についてより深い理解が進んだかと思います。

 

今回の認定に関わったメンバーの皆様

 

Q4:今回の認定機関をPJLAにした理由

㈱AHC 微生物試験室が希望している認定範囲の審査が可能なことや審査員が豊富な実績を持つこと、コスト面でのメリット等を判断し、ご依頼しました。
担当審査員とのコミュニケーションも円滑に進み、実際の審査ではプロセスごとの不確かさの対応について、適切な指摘があり、今後の糧になった。

 

Q5:今後の試験所としての取り組みについて

試験結果の精度向上にたゆまぬ努力をしたいと思います。ISO17025で作成したシステムは対象業務以外にも役立てていきたいと思います。

 

AHC様の試験精度向上へのたゆまぬ努力は続く


Q6:同業者も含めた今後ISO17025を取得する試験所へのメッセージ

ISO 17025の認定は、技術的能力の信頼できる指標として、国内および国際的に評価されています。試験サービスを提供する多くのラボとともに食品の試験機関として知識や技術を向上し、 健康な社会の発展に貢献できる企業を目指したいと思います。

地元の食品メーカー様を主なお客様とするAHC様、今後は今回の認定をきっかけに認定システム、プロセスを他の業務にも展開し、レベルを引き上げ、コンサル業務の強化なども含め、お客様対応の幅を広げる計画をされています。

AHC様の今後のさらなる躍進が期待されます。

 

 

【取材・編集:事務局】

 

 

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