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【お客様訪問】株式会社ロッテ中央研究所 分析研究課様

PJLAは新たにISO/IEC17025認定を取得したお客様を訪問し、認定証授与式を行うとともに
認定に関わるこれまでの準備や今後の活動について取材を行い、これから本規格の認定を
検討されている試験所・校正機関の皆様に参考となる生の情報提供を行っております。

 

 今回は株式会社ロッテ中央研究所 分析研究課様(埼玉県さいたま市、対象業務:製品またはその原料に含まれる一般生菌数、大腸菌群、及び乳酸菌数試験)を訪問し、認定取得のきっかけ、工夫した点、今後の取り組みについて、現地に訪問し、今回の認定のまとめ役として活躍をした土居様、実務担当として支えた山下様にお話を伺いました。

 

Q1:ロッテ中央研究所様の業務、お客様について。

 ㈱ロッテ 中央研究所では、「すべての人においしさを届けたい」という共通の想いのもと、様々な部署が一体となって、新商品の開発や既存品の改良、新しい包装形態の研究、機能性素材の開発、商品の科学分析など、日々研究に取り組んでいます。

今回ISO17025を取得した分析研究課では、品質の安全・お客様の安心のために、開発研究の中で、安全性を守る分析(微生物検査、賞味期限根拠、アレルゲン)、表示を守る分析(栄養成分、強調表示成分)の他、おいしさの分析(物性(食感))なども行っております。

 

ISO17025 ロッテ中央研究所今回の認定に取り組んだメンバーの方々

 

Q2:認定取得のきっかけやお客様からの問い合わせ、要望。

 微生物検査は、賞味期限の設定や保管条件を含む、食品の安全性を守るための重要な分析です。

衛生面を評価する一般生菌数検査と大腸菌群定性検査、商品開発の中で重要な乳酸菌数検査において、取得を目指しました。検査技術の高さを通じてロッテの商品がお客様により信頼されるようになりたい、社内の検査依頼者側からの技術的水準要求に応えたい、検査技術を属人化せずに組織として継承・管理したいと考え、取得に向けた取り組みを開始しました。

 

認定を取得した微生物試験業務の様子

 

Q3:認定準備で苦労した事、認定を取得して良かった事。

 近くにISO17025の取得前例がなかったため手探り状態でしたが、書籍やPJLA開催のセミナーで勉強しながら要求事項を理解し、これまでの検査業務体制を整理して新たな仕組みづくりを行いました。マネジメントシステムや検査技術をひとつひとつ文書化しながら管理体制を整えることに労力を費やし、どのように測定の不確かさを示し検査結果の妥当性を確保していくべきか試行錯誤を重ねました。他部署所属の内部監査員に細部まで監査いただきながら準備を行いました。

検査技術に自信を持てるようになったことに加えて、技術の継承・管理を行いやすくなったことは明らかで、取得による大きなメリットを感じております。

分析研究課の山下様(左)と土居様(右)

Q4:今回の認定機関をPJLAにした理由

 本審査の前に予備審査いただけることが大きな理由です。予備審査で様々な指摘をいただいたことで、本審査の前に是正・改善すべき点に気づきましたし、正しく取り組んでいる内容については自信を持つことができました。予備審査や本審査は、客観的で信頼性の高い評価をいただけるとても貴重な機会だと感じました。

 

Q5:今後の試験所としての取り組みについて

引き続き、正確に再現よく分析できるよう技術や記録の管理を徹底し、ISO17025で要求される内容を意識しながら業務に取り組んでいきたいです。

 

Q6:同業者も含めた今後ISO17025を取得する試験所へのメッセージ

ISO17025の取得は、検査結果に客観的な信頼を得ることに繋がります。審査に向け試行錯誤しながら準備を行う必要がありますが、お客様からの信頼感が増す、技術の維持・向上に役立つなど、取得によるメリットはとても大きいと感じております。

 

ロッテ中央研究所様を訪問し、メンバーの皆様の分析業務の信頼性向上に対する前向きな姿勢を強く感じました。また、「属人化から組織の取り組みへ」という課題に対し、自主的に始めたISO17025認定取得への取り組みを通して、大きな自信を得ている様子がうかがえました。

最近では学生を対象とした会社説明会等で、研究所がISOを取得している事を対外的にアピールできることも今後強みにつながるのではと、手ごたえを感じているとの事です。

リーダーの土居様は分析のプロとして業務をするために、何を取り入れれば良いか、どんな取り組みが技術力の向上を通した信頼獲得につながるか、模索する中でISO17025に出会い、可能性を感じ、メンバーを牽引し認定取得を達成されました。強い想い、向上心を持って分析業務に取り組むロッテ中央研究所様の今後の活躍に期待が高まります。

 

PJLAはISO17025認定の維持や研鑽がその一助となる事を強く願います。

 

 

【取材:事務局】

 

 

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