ISO/IEC17043認定第一号として日本分析センター様を認定しました
PJLAはこの度、ISO/IEC17043認定第一号として公益財団法人日本分析センター様(千葉県千葉市、以下JCAC)を認定致しました。
本事業は2020年にPJLAの新規認定事業として立ち上がり、年初より複数の申請がありました。その中で2021年1月に認定第一号としてJCACが化学的技能試験分野で認定を取得しました。
PJLA はこれまでも第三者提供の技能試験の普及の促進を目指し、認定された試験所・校正機関または認定申請者にその参加を強く要請してきました。今回の認定はその活動の大きな一歩であり、本規格の認定を通してISO/IEC17025認定のさらなる普及の実現を目標とします。
今回はPJLA事務局が認定第一号となったJCACを訪問し、認定取得までの足跡と今後の抱負についてインタビューしました。
Q1:日本分析センター様のこれまでの外部技能試験の実施状況や取り組みについて
JCACでは、環境放射線モニタリング等を行っている47都道府県の分析機関を対象に、JCACが作製した分析比較試料や環境試料を用いて各分析機関が放射性核種の分析・測定を行い、その分析結果の妥当性を確認しております。本事業については約40年間に渡り取り組んでおり、47都道府県の分析機関が出す分析結果の信頼性に寄与しております。
Q2:認定取得を決めた理由、事業者としての目標
以前からJCACが行う相互比較分析については、ISO/IEC17043に準拠した評価を行ってきたので認定取得を目指すことは自然な流れでした。ISO/IEC17043の規格は国際標準であり客観的に評価されるので、認定取得することで技能試験提供者としてJCACの信頼性を高めることができます。
Q3:認定準備で苦労した事、認定を取得して良かった事。これから可能性が広がる事。
長年、47都道府県との相互比較分析を行っていたので、JCACのノウハウは確立しており、ISO/IEC17043に準拠した評価も取り入れていたこともあり、比較的容易に認定取得ができると思っておりましたが、いざふたを開けてみると、要求事項に対して新たに対応しなければならない事項もあり、所内での各担当グループとの調整や手順や文書の整理などに時間がかかり苦労しました。
一方でマネジメントシステムの要求事項については、ISO/IEC17025のマネジメントシステムを活用できたので、技術的要求事項の準備に多くの時間を割くことができました。
ISO/IEC17043認定取得は47都道府県の分析結果の信頼性の強化と国民への安心につながり、さらに日本の品質保証について国外へアピールすることが出来ます。また東京電力福島第一原子力発電所事故から10年経ちますが、国内はもとより海外からも日本の分析結果は注目されております。そういった中、JCACは放射能分析の精度管理に関して積極的に貢献していきたいと思います。
認定対象ラボの業務の様子、適切な試験環境と手順により信頼性の高い業務が実施される
Q4:今回の認定機関をPJLAにした理由
PJLAを選んだ理由として、JCACのISO/IEC17025サプリメント分析の審査機関であり、審査員の技量について十分信頼できること、(PJLAでISO/IEC17025認定を取得しているので)マネ株式会社イマダ
> 技術グループ 技術開発チーム
> 稲熊 一晃ジメントシステムの審査は効率的に準備できることも選定の理由となりました。
実際の審査でもマネジメントシステムの要求事項の審査はスムーズに行われ、技術的要求事項の審査も十分に準備され的確でした。
JCAC様にはISO/IEC17043技能試験提供機関として本規格普及の大きな力になる事を期待しています。
PJLAもISO/IEC17043認定を皮切りに今後も新たな認定事業の取り組みを強化します。
どうぞご期待下さい!
【了】