トピックス

【お客様訪問】水圏科学コンサルタント様

PJLAは新たにISO/IEC17025認定を取得したお客様を訪問し、認定証授与式を行うとともに
認定に関わるこれまでの準備や今後の活動について取材を行い、これから本規格の認定を
検討されている試験所・校正機関の皆様に参考となる生の情報提供を行っております。

今回は水圏科学コンサルタント様(東京都大田区、対象業務:バラスト水の従属栄養細菌試験、大腸菌群及び大腸菌試験、腸球菌グループ及び腸球菌試験、コレラ菌及び毒素産生性コレラ菌試験、及びバラスト水のプランクトンL サイズグループ試験、プランクトンS サイズグループ試験)を訪問し、認定取得にあたってのきっかけ、工夫した点、今後の取り組みについて伺いました。


※同社で行われた認定証授与式の様子

 

Q1:水圏科学コンサルタント様の業務とお客様について。

  当社の業務は、水域(海、河川、湖沼)を主なフィールドとし、下記の業務を行っております。お客様は、国(国交省、農水省、環境省、内閣府等)、地方自治体、公的な研究機関及び大学がほとんどです。生物試験・分析の業務には、船舶・海運関連の企業の方々が加わります。

  1. 生態系に関する調査研究
  2. 生物試験・分析
  3. データ解析・シミュレーション
  4. 地域計画・教育・システムづくり
  5. 関連する土木設計

 


※今回認定を取得した試験業務

 

Q2:認定取得のきっかけや対外的な要望(お客様からの問い合わせ)。

  弊社は、外来水生生物の国際間の侵入問題である船舶バラスト水問題に長年携わっています。コンサルティング業務としては、国の代表団の一員として国際海事機関(IMO)等の各種国際会議に参加し、各種対応をとってきました。一方で、水生生物の調査・研究や試験・分析業務においても、国内トップの実績を有しております。

これら活動を通じて、バラスト水中の水生生物の試験・分析を対象としたISO17025認定機関の必要性を皆様からたくさん聞くようになりました。残念ながら対象となる全ての生物を網羅する認定機関は我が国には存在しておりません。このような状態が継続すれば、我が国のバラスト水管理条約及び海洋汚染防止法の適切な履行にも影響を及ぼす可能性もあるとの懸念していました。

バラスト水問題に関して、先進国の一つである我が国において認定機関の無い状態は決してあってはいけない状況と考えます。そこで、弊社が認定機関になることで、社会貢献を果たすと共に、新規ビジネスへの発展を目指しました。

ISO17025認定取得は国内外の団体、機関と提携し、共同研究や業務のパートナーシップを進める際にも大きな強みになります。



Q3:認定準備で苦労した事、認定を取得して良かった事。

必要な技術に関し、弊社メンバーは元々備えていました。ただし、その内容を客観的に証明する検証方法の開発と記録として管理する意識が不足していました。この点の徹底が苦労したところです。

一方、我が国で唯一の認定機関となったことで、メンバーに自信が生まれ、一層積極的に技術習得や研究開発に取組むようになったと感じます。企業としてはメンバーの自信と意欲は財産です。

Q4:今回の認定機関をPJLAにした理由

バクテリアなど生物分析に関する豊富な実績が最も大きな理由です。また、審査等のご対応を通じて、PJLAスタッフの審査技術の高さと、もう一つ柔軟性を改めて感じました。弊社も見習うべきと思っています。弊社のメンバーからもPJLAにして良かったという声があがってます。

 

Q5:今後の試験所としての取り組みについて

 まずは、今回、認定を受けた範囲において、適切に試験・分析を実施することと思います。しかし、範囲や対象は、順次拡大して行きたいと思っております。現状に満足せず、高いところを目指して取り組んで行きたい。


※ISO17025認定取得に尽力したメンバーの皆様

 

Q6:同業者も含めた今後ISO17025を取得する試験所(校正機関)へのメッセージ

ISO17025認定取得は試験所としての力量、そしてメンバーのスキルが確実にアップします。もちろん、組織としては業務展開を最大の目的として認定を取得するわけですが、試験機関としてメンバーのスキルアップはそれよりも大きな効果と感じています。

要員の知識と心構えに大きな変化をもたらした事、この点がISO17025認定を取得して一番良かったことと感じております。
PJLAでのISO17025認定をお勧めします。

【了】

ページトップへ