ISO15189とは

ISO15189とは

ISO 15189:2022は、臨床検査室の品質(生活の質、医療の質、検査の質)と能力に関する国際標準マネジメントシステム規格です。この規格は、臨床検査室が患者の診断と治療に必要な妥当な検査結果を迅速に臨床に届け、医療の質の向上に協力するための、品質マネジメントシステムを導入、維持管理及改善するための要求事項を定めています。

ISO 15189は、臨床検査室が品質管理活動を通じて、その品質と能力に対する信頼性を継続的に改善しつづけることを目的としています。この規格では大きく分けて、検査室の管理、技術的な運営、および品質マネジメントシステムの要素をカバーしています。これには、検査前、検査、検査後のプロセス、検査室の人員の資格、設備、安全性、外部品質評価、内部品質管理等、「患者の福祉」「利用者の満足」の促進を得るための様々な管理手法が含まれています。

ISO 15189:2022は、その前身であるISO 15189:2012の改訂版です。最新版では、臨床検査室の技術的な要求事項と管理要求事項がさらに明確に定義され、検査室が「患者ケア」の質を向上させ、臨床チームに対してより効果的なサポートを提供できるように改訂されています。

これらは、検査室が国際的に認識された基準に基づいて運営されていることを証明するための枠組みを提供し、ISO 15189の認定を受けることで、臨床検査室は、その品質管理プロセスが国際基準に準拠していることを示すことができます。

また、検査室の利用者、行政機関、認定機関による臨床検査室の能力の確認及び承認に使用することができ、検査室が高い品質の検査サービスを提供していることの保証を提供することを目的としています。ISO 15189の適用は、臨床検査室の運営の有効性や効率性を改善し、患者ケアの質を高めるための重要なステップとなります。

ISO15189認定のメリット

ある程度ISO15189概要がわかったところで、実際に認定を受けることについてのメリットについて詳しく見ていきます。

品質と安全性の向上

「患者ケアの質の向上」

検査の迅速性と信頼性を確保します。これにより、診断の精度が向上し、治療の質が高まります。

「リスクの管理と削減」

品質マネジメントシステムの実装により、検査プロセス中のエラーや偶発事象のリスクが減少します。これは、患者の安全性を高めるとともに、病院が法的責任や訴訟のリスクを低減するのに役立ちます。

信頼と評判の向上

「患者との信頼関係の構築」

検査サービスの品質に対する公式の認識を意味します。これは患者にとって、病院が高いレベルのケアを提供している信頼の証となります。

「国際的な認知と評判の向上」

当該規格の認定は国際的な標準に適合していることを意味し、臨床検査室が世界的な品質基準に準拠していることを示します。これは、国内外の患者やパートナーからの評判を高めることに寄与します。

経営と運営の効率化

「プロセスの最適化」

品質マネジメントシステムの導入は、検査プロセスの効率化と最適化を促進します。これにより、時間とコストの削減が可能になり、病院経営の効率化に貢献します。

「継続的な改善」

当該規格は、品質マネジメントシステムの継続的な評価と改善を奨励します。これにより、検査サービスの質を継続的に向上させ、病院経営上の課題に柔軟に対応できるようになります。

競争力の強化

「市場での差別化」

他の医療機関との競争において病院を差別化する要素となります。高品質なサービスを提供していることの証明は、新しい患者の獲得や既存患者の維持に寄与します。

「フレキシブル認定で対応」

高度に自動化されている臨床検査機器/装置を用いられている昨今では、血液や尿等の試料を入れるだけで 複数項目の検査結果がでます。したがって、項目別で審査をするのではなく、測定する機種をもとに審査を行います。

このように、ISO 15189の認定取得は、臨床検査室にとどまらず、病院全体の経営に大きな利益をもたらす可能性があります。品質と効率の向上、信頼と評判の構築、競争力の強化は、病院が長期的に持続可能な成長を遂げるための重要な要素といえるでしょう。是非この機会に認定取得についてご検討ください。

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