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【お客様訪問】鈴与株式会社 鈴与御殿場プラント様

PJLAは新たにISO/IEC  17025認定を取得したお客様を訪問し、認定証授与式を行うとともに、認定取得までの道のりや今後の活動について取材を行い、これから本規格の認定を検討されている試験所及び校正機関の皆様に参考となる生の情報を提供しています。

 今回は鈴与株式会社 鈴与御殿場プラント様(静岡県御殿場市)を訪問し、認定取得のきっかけ、活動を通して得られた確かな手ごたえや今後の目標について、メンバーの皆様にお話を伺いました。

 

新メディカルサービス事業準備室 室長 村田様への認定証授与

 


Q1:鈴与御殿場プラント様の業務、お客様について

 当社は医療機器の物流業務に加え、各種製造販売業者様より医療機器の製造工程も受託しています。特に、新メディカルサービス事業準備室の鈴与御殿場プラントでは、再製造単回使用医療機器の製造工程(洗浄)の対応も可能となっています。医療機器を安全に再使用するためには、洗浄手法・洗浄機器・洗浄剤など、洗浄プロセス全体の品質を定量的に評価・管理することが求められます。特に、タンパク質の残留の有無は洗浄品質を示す重要な指標であり、適切な測定と評価が不可欠です。この再製造単回使用医療機器製造の為の洗浄の有効性評価にも生かせることから、認定を取得しました。

 これからは製造工程の評価だけでなく、医療機関の洗浄品質の評価や、医療機器メーカー様が開発する洗浄機器や洗浄剤、洗浄手順など、洗浄力の分析に役立てる試験結果を提供していきます。

※再製造単回使用医療機器:単回使用の医療機器のうち、再製造をされたもの。2017年7月31日に単回使用医療機器の再製造に関する新規省令が発出。

 


Q2:ISO/IEC 17025認定取得のきっかけを教えて下さい

 医療機器製造販売業者様の製品にて、洗浄がかかわる製品開発には需要があるのではと感じ、認定取得に取り組む事になりました。

 

認定取得に取り組んだメンバーの皆様

 


Q3:今回の認定準備で苦労した事、認定を取得して良かった事

 本認定を取得したことで、医療機器製造業における技術的知見が向上しました。医療機器の製造では、ISO   13485(QMS省令)がベースとなりますが、同じQMSでもISO/IEC 17025特有の要求事項やその解釈について、ISO 13485(QMS省令)にない部分は対応に苦労しました。

1)測定不確かさの評価
2)併行精度、試験所内、試験所間比較
3)公平性

 これらの項目についてはこれまでにない(特化した)対応が必要となりました。各種取り組みを通して、本規格の理解が着実に深まり、今後の試験所活動に資する有意義な経験となりました。

 

Q4:認定機関をPJLAにした理由

 無料セミナーとグループ会社が主催しているセミナー(認定準備・測定不確かさの評価・内部監査員養成コース)が充実していた事と、同業他社の当該分野における認定実績でPJLAを選択しました。

 

 

認定を取得した試験業務の風景

 

Q5:今後の試験所としての目標と取り組みについて

 医療機器の設計に必要な試験項目については網羅できるよう、認定範囲を拡大していきたいと考えています。

 

Q6:同業他社も含めた今後ISO/IEC  17025認定を取得する試験所へのメッセージ

 組織全体の品質文化向上に寄与すると考えます。『測定不確かさ』の概念を知っているのと知らないのでは技術者としての質が全く異なります。また統計的手法を必ず取り入れなくてはならないため、あらためて学び直す機会にもなり、その事は他の業務にも活用できるのではないかと思います。

 

 

インタビューでは苦労話もありました

 

【取材を終えて】

 今回は御殿場にある鈴与御殿場プラント様の試験所を訪問致しました。
複数のメンバーでセミナーを受講する事で規格の要求事項に対し、組織としての理解を向上させたり、積極的に予備審査を活用し、メンバーが一丸となって本番の認定審査に向け、準備の質を上げていこうという意欲的な活動とともにメンバー間のコミュニケーションが非常に良好である事が伺えました。

 また、難易度の高いISO/IEC  17025認定に取り組むに当たっても、ISO 13485(QMS省令)で培ったQMSをどのように生かせるかなど、新たなシステムの構築をワクワクしながら楽しんでいる様子も伺えました。その代わり、結果の妥当性の確保や、測定不確かさの評価に必要なデータの収集など非常に苦労する部分もあったため、今回の認定取得の喜びはひとしおであったのではないかと思います。

 今後はじっくりと力をつけ、あらたな分野の認定の拡大も視野に入れた意欲的な活動が期待されます。

 PJLAも鈴与御殿場プラント様のあらたな取り組みをこれからも力強くサポートしてまいります。

 

取材・文:事務局

 

 

※PJLAの取材を希望される、興味がある法人のお客様はお気軽にお問合せ下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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