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【お客様訪問】日本中央競馬会競走馬総合研究所様

PJLAは新たにISO/IEC17025認定を取得したお客様を訪問し、認定証授与式を行うとともに
認定に関わるこれまでの準備や今後の活動について取材を行い、これから本規格の認定を
検討されている試験所・校正機関の皆様に参考となる生の情報提供を行っております。

今回は日本中央競馬会競走馬総合研究所様(栃木県下野市、対象業務:馬血清の馬インフル
エンザウイルス血清学的検査及び馬の鼻腔スワブまたは鼻咽頭スワブのRT-PCR による
馬インフルエンザウイルス遺伝子の検出)を訪問し、認定取得にあたってのきっかけ、
工夫した点、今後の取り組みについて伺いました。

※同社で行われた認定証授与式の様子

 

Q1:日本中央競馬会競走馬総合研究所様の業務とお客様について。

競走馬総合研究所は、中央競馬を支える研究機関として、また、国内唯一の馬の研究所として、競走馬のスポーツ科学、スポーツ障害、伝染病対応に関する研究を実施しています。分子生物研究室は、馬のさまざまなウイルス性疾患を対象に、疫学調査、診断法の開発、予防や治療に関する研究を行っています。とりわけ、馬インフルエンザに関しては、競走資源の損失あるいは円滑な競馬開催の妨げとなりうることから、防あつに直結する研究に精力的に取り組んでいます。



  

※今回認定を取得した試験業務


Q2:認定取得のきっかけや対外的な要望(お客様からの問い合わせ)。

世界の動物衛生の向上を目的とした政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)は、最新の研究成果を新たな動物感染症診断法開発などに活用するため、世界最先端の研究を行っている施設や専門家をリファレンスラボラトリーとして指定しています。競走馬総合研究所は、このOIEリファレンスラボラトリーへの認定を目指しており、リファレンスラボラトリーの要件としてISO/IEC 17025の認定が必須であることが取得のきっかけです。

Q3:認定準備で苦労した事、認定を取得して良かった事。

要員全員が初めて携わる業務であったため、規格要求事項の理解から始まり、文書や記録の準備、マネジメントシステムに関する仕組み作りにとても苦労しました。認定取得後は、業務内容のチェックや振り返りなど、ちょっとした事でも以前より意識するようになったことで、ISO/IEC 17025とは関係のない日常業務においても、良い影響を与えられるようになったと感じています。また、試験業務においては、結果が安定して得られる等、技術力の向上がみられたことが認定を取得して良かった事です。

 

Q4:今回の認定機関をPJLAにした理由

ISO/IEC17025の認定において豊富な実績があり、特に動物の血液検査を含む生物学的試験分野における認定審査実績を有していたため、PJLAを選択しました。また、審査員がこの分野における妥当性確認、不確かさの推定、技能試験等について豊富な経験と実績を有していることも理由です。

 

Q5:今後の試験所としての取り組みについて

現在の技術水準を維持すべく、今後も努力するとともに、OIEリファレンスラボラトリー認定へ向けて取り組んでいきます。また、高度な技術力を生かして、質の高い研究成果を国内外に発信することで、馬産業の発展に貢献できればと考えています。


※ISO17025認定取得に尽力したメンバーの皆様

 

Q6:同業者も含めた今後ISO17025を取得する試験所(校正機関)へのメッセージ

ISO/IEC17025の認定を取得することによって、組織の信頼性や国際的な認知度を高められるだけでなく、携わるメンバーひとりひとりの業務に対する意識の改善や技術力の向上はもとより、認定範囲以外の部分でも、組織に良い影響を与えることができると思います。取得には多くの労力がかかりますが、その労力に見合っただけの成果が得られるはずです。

※今回は競走馬総合研究所所長の和田信也様、根本様、光田様に現地でお話を伺いました。

現地に伺い、和田所長以下、馬産業を支える同研究所の皆様の試験所業務に対する覚悟や思いを強く感じました。ISO17025の要求事項を意識し、取り組む事は対象業務以外にも大きな意識の変化につながる事、根本様からは在宅勤務を余儀なくされた事によって審査文書の作成に注力せざるを得なかった事が結果的に認定準備によく働いたなど生の声を聴く事が出来ました。

また、新型コロナウイルス下で様々な業務が制限される中でも、馬産業への貢献のため少しでも良く、一歩でも前へという組織の姿勢は今後、本規格の認定を目指す試験所・校正機関の皆様にも必ず参考になるのではと思います。

弊社の担当審査員の技術についても非常に高い評価とありがたいお言葉を皆様からたくさん頂きました。

日本中央競馬会競走馬総合研究所様にはISO17025認定普及の心強いメンバーとして今後も共に歩んでいければと思います。

 

【了】

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